名古屋市瑞穂区 かのうクリニック 予防接種について

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小児の感染症

咽頭結膜熱(プール熱、アデノウイルス感染症)について

<病気のあらまし>
高熱が出て、のどの症状(咽頭炎)と、目の症状(結膜炎)の両方があるのが特徴です。潜伏期間は4〜6日で、39〜40℃の発熱が3〜7日と長く続きます。のどはかなり痛いことが多く、見たところ真っ赤になります。目は痛みやかゆみがあり、目やにがかなり出て、まぶしくなったり涙が止まらなくなったりもします。また、頭痛や吐き気とか、腹痛や下痢が起こることもあります。

主に7〜9月のプールに子供たちが入る時期にちょうど流行するので、プール熱とも呼ばれていますが、最近は季節に限らず、年中流行があるようです。伝染経路の多くは普通の夏かぜと同じで、鼻汁や唾液からうつってゆく飛沫感染が主です。他に、便を介しての経口感染や、目やにから接触感染も起こすので、注意が必要です。

原因ウイルスはアデノウイルスと呼ばれるウイルスです。このウイルスはいろいろな型に分類されるのですが、1995年から7型と呼ばれる新しい型が流行するようになりました。7型は以前の型に比べ熱が長く続き、重症化することもあり、死亡例も報告されているので注意が必要です。

現在、このアデノウイルスは、インフルエンザと同じような検査キットで、クリニックでも簡単に検出することができます。ただ、インフルエンザと違って、アデノウイルスに対する抗ウイルス剤はありませんので、陽性に出ても、結局風邪薬をもらって帰るしかありません。

<治療・合併症>
高熱が出る期間がやや長いので心配になってきますが、2次感染さえ起こさなければ後遺症なく治ります。特別な治療はなく、脱水に注意しながら対症療法でゆくしかありません。

目やにからの接触感染もありますので、タオルは別のものを使うようにしてください。経口感染もありますので、家族の方は手をよく洗うなどの基本的な注意も必要です。

治った後も、ウイルスは咽頭から2週間、便からは3〜4週間ぐらい、体から排出し続けますので、厳密な意味での隔離は難しいとは思います。しかし、咽頭結膜熱はやや重症感のある病気ですし、感染力もかなり強いですので、慎重に対処してください。

プールで特にうつりやすいというわけではないと思いますが、治ってからでも10日〜2週間ぐらいはプールは止めておいたほうがよいでしょう。これは、お尻のまわりに付着したわずかな便からの経口感染の可能性がありますし、高熱が続くことが多いため体力も低下しているからです。アデノウイルスは、比較的プールの塩素でもなかなか死なないということもあります。

<予防接種、その他>
予防接種は、ありません。学校伝染病第2類に分類されているので、主な症状がなくなっても2日間は学校や幼稚園には行けません。